『火』で何ができる?!

お山の教室では、火を使う機会があります。
特に秋から冬にかけて、月2回のクッキングが始まったり、椎の実や栗を炒って食べたり、冬には暖を取ったり手を温めるためのお湯を作ったりするなど、火を起こす機会が増えいきます。
火は、子どもたちにとってどんな風に映っているのでしょう。
『火』って何だろう?
何に使えるんだろう?
どう使ったらいいんだろう?
実際に火を起こし火を使うことで、火の暖かさ、便利さ、面白さなどなど、子どもたちの中で感じ取れたらいいなぁと思っています。
火を作るための準備
火を作るために、まず大切なのは材料の準備です。
自然の中から探していきます。
燃えそうなものは色々あるなぁ…
杉の葉、枯れ葉、細い枝、太い枝、竹…
火を作るために使えるものはどれだろう?
杉の葉も緑色のと茶色のものがあるけど、何が違ってどっちの方が燃えるんだろう?
どれくらいの量が必要か?
どんな太さや長さのものが必要か?
何回も火を作るということを繰り返すことで子どもたちも経験から、こっちの枝の方が太くていい、これぐらいの量がないとすぐなくなっちゃう…と覚えていきます。
最初は大人が知識を伝える場面もあります。
湿っていると火がつきにくかったり、火がつかないこともあることを伝えて、乾かすということも大事な作業になっていきます。
火を作る
準備が出来たら、火を作ります。
杉の葉はどこにどれくらい置いたらいいんだろう?
竹や薪はどこにどうやって置いたらいいんだろう?
まずは形を作ってみます。
形の作り方も、テント型や井桁型など様々な作り方がありますが、原理は一緒。
大人からの少しのアドバイス(火が大きくなるために必要なこと)と、経験することが大事なこと。
形を作ったら、火をつけるためのマッチも準備!
マッチを擦るのも、最初はドキドキ。
擦る時に折れてしまったり、マッチ棒に火がついても杉の葉に火が移らなかったり…
マッチの持ち方を間違えると、火が自分の手の方に向いてしまうので、火がどっちの方向に燃えるのか?も大事なことです。
たくさんの失敗を重ねて、火がつけれるようになると、子どもたちも「マッチ出来るよ!」と得意気に教えてくれるようになります。
けれど、杉の葉に火がついただけでは、すぐに燃え尽きてしまう…
最初の火が、竹、そして薪へと燃え移るように様子を見て、必要な時には空気や風を送り込んだり、追加で竹や薪を入れていかなければいけません。
火を扱う道具もとても大切なものです。
自分の手を守る軍手や、火バサミ。
火はいわずもがな、とても熱いです。
火そのものが熱いことは伝わりやすいですが、まだ火に親しんでないころは羽釜の枠の部分が熱くなるなど、火そのものだけでなく周りのものも熱くなることを伝えていく必要があります。
火を扱うことで起こる危険から自分の体を守るために、道具をどんな風に使うと安全に火を扱えるのかも考えていきたいです。
火を育てる
さて、火を作ったあと、この火で何をしたいか?それを考えて火を育てていきます。
暖まりたいのか…
焼き芋を作りたいのか…
羽釜でご飯を炊きたいのか…
お湯を作りたいのか…
それによって、大きい火をつくるのか、中くらいで長持ちする火が欲しいのか、育て方も変わってきます。
火を起こすこと自体が楽しい時には、すぐ燃える杉の葉を入れて“燃える”ということを実感している子どもたち。
けれど、元々杉の葉は火を起こす時に必要になるので、火がついている時にどんどん燃やして使ってしまうと……必要な時に、もうない!ということも…
焼き芋を作ろうと思ったのに、火が消えてしまったこの日。
火種を使ってもう一度火起こしをしようとしたけれど杉の葉は全部使い切ってしまっていて…
近くにある使えそうな枯れ葉を集めて必死で火を復活させようと頑張る子どもたち。
そして無事復活!お芋を焼くことが出来ました。
材料が残っているかどうかを確認することや、大事に使っていくことの大切さを感じた子もいた様子。
次の週には、みんなで杉の葉や薪を集めに行きました。
火を落とす
ご飯を羽釜で炊いている時、沸騰した後に、火を一気に弱火に落とす時間が必要になります。
また、火で作りたいものを作った後、まだ燃え切ってなかったり、炭になったけどまだ使えそうな薪が残ることも。
全部をその時に燃やし切ってしまうのではなく、一旦水に入れて火を消し、乾かして、また次の時に使えるようにしています。
薪が貴重なこと、炭は薪とは違う使い道があること、全部は難しくても、少しずつ伝え子どもたちが経験から感じてくれたらいいなと思っています。
まだまだ火を使う機会はこれからも続きます。
子どもたち一人ひとりが、それぞれの関わり方で“火”への興味を広げていけたらいいなと思っています。
みっちゃん