薪拾い ~ご飯を食べるにはまず薪から~
今年も9月から始まった野外クッキング。
自分たちで火起こしから行い、お米を洗う、野菜を切る…と準備したあとは、起こした火でお米を炊いて豚汁を作ります。
自分たちで作る羽釜ご飯と豚汁は格別のようで、子どもたちのお楽しみになっているほど、生き生きと準備をして作る姿が見られています♪
この時に必ず必要になるのが『薪』。
火を起こすための薪がなければ、ご飯も炊けず豚汁も作れません。
さらに、薪は使えば使うだけ減っていきます。
定期的に集めていかなければすぐになくなってしまう薪…。
クッキングのあとに薪の量を確認すると、火起こし係をしていた子からは『薪沢山使ったからあんまりないよ』という声が聞かれます。
「薪拾いに行って集めないとだね」という大人の声に、薪を集める大切さも分かる…!けれど、同時に面倒くさい気持ちも出てくる子どもたち。
最初は『薪集め』への気持ちが強くないことや、どうやって薪を見つけていいかわからないこともあり、「薪を集めに行こう!」と声をかけ出発したものの、うろうろしては「薪見つからない~」。
そこで、子どもたちが薪を見つけやすい場所で、まずは集める!ことをしてみました。
見本の薪を持って行って太さ比べをしながら薪を選ぶことで必要な薪がどれかに気付いていくことや、自分で見つけられた!という経験を増やしていくことで、おでかけの時にも子どもとの会話で「あの薪良い薪だね~」と声を掛けると、「本当だ!持って帰る?」なんて言葉が出るようになってきました。
そして何回も薪拾いに向かう中で、少しずつ子どもたちも要領を得ていったようです。
出発準備の時も、「どうやって持って帰ってくる?」と聞くと、
「今日は薪を抱えて持って帰ってくる」
「今日はタライと背負いカゴを持って行こう」
と運ぶ時をイメージしながら準備しています。
薪拾い中には、
「見て!良い太さの薪あった」
「折って持って帰ろっと」
と、太さや長さを考えたり
「この木はちょっと湿ってるから乾かさないと」
「まだ背負いカゴの中空いてるから、薪入れていいよ」
と、乾き具合や量も気にしながら集めていく姿が増えてきています。
持って帰ってきたら、乾かして、良い長さに折ったり切ったりしていきます。
大変な作業だけれども、みんなで力を合わせれば、結構な量の薪が集まり、片付けも長い時間かからず終えられることが、少しずつ身に染みてきているといいなと思っています。
みんなで薪拾いをしている時、薪拾い自体を楽しむ子どもたちの姿がぐんと増えました。
一方で、遊びたいことと、薪拾いを天秤にかけたら、どの子でも『遊びたいこと』が上に来る姿ももちろんあります。
しかし、生活の中では、『自分の好きなこと』だけでなく、『暮らしやすくなるように協力すること』も大切。
お山での日々が生活の中にあるからこそ、その毎日がより楽しく心地よくなるように、『みんなで力を合わせる』ことも、大事にしていきたいと思っています。
みっちゃん。
良い太さの薪をいっぱい見つけた!と腕いっぱいに運んでいくRくん。
坂の下で薪を見つけたけど「重くて上まで持てない~」。坂の上にいた友だちに、「これ持ってくれる?」と声をかけると、「いいよ、持てるよ!」と快く持ってくれていました。
「お泊まり会の時に、乾いたみんなの薪を借りたから、返さなきゃ」と、たくさん薪を集めるYちゃん。薪が湿っていて火が点かなった時に借りた薪のお返しです。
一緒に薪拾いへ行く最年少の2人。まずはみんなが拾っているのを見ながら、自分なりの『薪』を集めていきます。
薪が乾きやすいように…と薪同士を離しながら干していくSちゃんとRくん。
釜戸に入るように、長い薪はのこぎりで短く切っていきます。
1人だと切りにくいけど、友だちが支えてくれたら切りやすくなった!
乾いた薪は、物によっては足で折れる!と、勢いよく折っていきます。全く折れなかったものはノコギリへ…!
乾いて短く切った薪を、薪小屋へ。太さに合わせて置く場所が決まっているので、仕分けして置いていきます。