保育士さんの研修受け入れ

保育士さんの研修受け入れ

お山の教室では、2019年10月2日~4日の3日間保育士さんの研修の受け入れをしました。

今まで、島の高校生のインターンの受入れや、中学生の職場体験の受入れはしてきましたが、保育士さんの研修の受け入れはお山始まって以来の出来事です。

東京の目黒区と港区に多くの保育園や児童館を運営している株式会社アソシエ・インターナショナルさんよりお問合せがあり、「全然違った環境でしている保育を、ぜひうちの保育士に体験してもらいたいんです!」ということでした。

更に、お山の教室の本体のNPO法人隠岐しぜんむらのネイチャーチームとの初の受入れコラボ。

午前中はお山の教室の活動を見てもらって、午後はネイチャーチームに海士町や西ノ島町のガイドをしてもらいました。

お山としても初めてのことでしたし、子どもの人数を考えて1回につき2人まで受入れ可能ということにしました。

「都会の保育士さんが島にわざわざ来るのだろうか?」という不安をよそに、アソシエ・インターナショナルさんより「多数の応募がありました!」とのことでした。

 

研修の様子

午前

一日目水曜日は、子どもの気持ちに合わせクッキングチームと遊ぶチームに別れています。

研修生の2名もバラバラになり、まずは子どもの様子や保育士の様子を見てもらいました。

二日目木曜日は、<年少さんと未満児さん><年長さんと年中さん>の2つに分かれて別々の活動をするします。

そのため、、興味があるほうについてもらい、いっしょに遊んでもらったり声かけをしてもらったりしていました。

現在お山ではフィールド作りにまい進しており、草刈りなどをしています。草刈りも子どもたちの前でやり、その大人を見て子どもたちもやりたくなったらやってみる、ということを導入しています。

研修生はその草刈りをひたすらやっていただき、「楽しかったよ~!」と笑いながら話してくれました。

 

3日目は、全員でいるか広場(海が見渡せるフィールド、いるかの乗り物がある)で遊ぶため、使う道具をリアカーで運びました。

お昼は子どもたちと都合のつく保護者さんが集まり『みんなでお弁当』を食べる日で、」研修生もいっしょに食べ、保護者さんの様子を見ていただきました。

 

午後

午後の初日は、地域創生で先行している海士町の説明や、教育に力を入れている様子をみていただきたくて、図書館や学習センターへ行きました。

図書館では、ちょうど島の子育て中のお母さんとお話ができ、島の子育ての状況を伺い、島の公営塾である学習センターでは、夢ゼミの様子などが伺えました。

2日目は、台風接近のため急遽予定を変更し、西ノ島へ。摩天崖(まてんがい)・通天橋(つうてんきょう)・焼火山(たくひさん)など巡り、ガスでなにも見えない恐れもありましたが、なんとか海は見えました。しかし、風が半端なく強かったようです。

3日目は、海士町の名所巡りを。隠岐神社・明屋海岸・塩風ファームなど。

午後のツアーは保育とは関係ないことなのですが、島にわざわざ来てみようと思ってくれる保育士さん。高校生の塾の学習センターの話をきいても、石の話を聞いても、虫の話を聞いても、なんでも「おもしろい!」と興味を持っている様子が印象的でした。

 

研修受入れの感想

今回は、各自に研修日誌を書いていただき、それを元に質問をお山の保育士が振り返りの時間に答えるという対応をしました。

日誌の記入項目には下記となり、たくさん書いてくれた中から印象的なモノを一つずつピックアップ。

 

①保育士の動きで印象に残った場面
・時間がない中でも自分で着替えをしたい子どもの気持ちを尊重したところ。

②印象に残った子どもの遊び
・木材を並べて家を作ったり、組み立てて立体の家をつくっていて、木材を使っているところが、本当に建築をしているようで面白かった。

③印象に残った子どもの言葉
・家を見て「何を作っているの?」と聞くと「家!基地!蛇口も付けんと水がでないな!」

④今している保育と同じと感じたところ
・場面が変わる時に歌や絵本で落ち着く・切り替えの時間をつくっていたところ。

⑤今している保育と違うと感じたところ
・新しい遊びを始めるとき、大人で約束事を決めずにまずは子どもたちが行うところを見守るところ。

⑥自分の保育に取り入れたいこと
・I メッセージ

※お山で「保育士のかかわり方」として気をつけついることがいくつかあります。正規職員はもちろんインターンや研修、あるばさの方にも説明をしています。

—以下、保育士のかかわり方 抜粋—
3-1.「支配」から「共感」のコミュニケーションへ
「子どもを変えよう」「分からせよう」とする関わり方から、「子どもを認めよう」「分かろう」とする関わり方を心がける。(これはスタッフ同士の関係も同様)

3-2. Youメッセージでなく、Iメッセージで伝える

[Youメッセージ]
「(~ちゃん、)ガラスのそばで遊んだら危ないよ」
「(~ちゃん、)足にしがみついたらいけないよ」

[Iメッセージ]
「(私は、)~ちゃんがガラスを割りそうで見ていてこわい」
「(私は、)足にしがみつかれると動けないから困るよ」

スタッフは「自分」を主語にしながら、自分がどう思っているか、どう感じているか気持ちを伝える。

スタッフが子どもの「気持ち」に是非や良し悪しがつけれないように、スタッフの気持ちを子どもが是非や良し悪しをつけられないと考えているため。
————

「これはこうするものなのよ」というYouメッセージは、子どものことを大人目線で評価してしまうことが多く、なぜダメなのか、なぜいけないのかを伝えそびれてしまう可能性を多く含んでいます。

Iメッセージだと評価にならず、大人の気持ちからやめて欲しい理由を具体的に伝えることが出来ます。

 

⑦保育を見て疑問に感じたところ
・クギやノコギリ

⑧保育を見て聞きたいこと
・間違えば危険となる道具の下ろし方

 

⑦・⑧の保育士の回答
最低限のルール、クギは一つずつ使うなどはある。

一番最初に使うときは一緒に使ったり、危なくないか横で見ている。

こどもを見て、年小や未満児さんは横につくが、年長は遠くから見守ってもO.K.だと考えている。

日誌を書いてもらったことにより、お山としては当たり前にやっていることが、印象的なことになったり、取り入れたいと言ってもらえることは、お山としてもとても励みになりました。

また、当たり前にやっていることが、他から見たら疑問点となったり、改めて考えるきっかけになったり、改善しようという意識になったり、本当にお互いが学びとなる機会を得ることができとてもよかったと思います。

今回の行程表

10月1日(火)
12:50 菱浦港着 昼食 送迎
14:00 オリエンテーション①全体説明
15:00 オリエンテーション②保育士のかかわり方
16:00 隠岐しぜんむら チェックイン 自由行動

10月2日(水)
9:00 お山の教室 研修スタート
13:30 終了 休憩
14:30 海士町について 教育のことなど
15:00 町内案内(図書館・学習センター)
17:30 終了

10月3日(木)
9:00 お山の教室 研修スタート
13:30 西ノ島ツアー
18:00 お山の教室と振り返り
19:00 終了

10月4日(金)
9:00 お山の教室 研修スタート
14:00 海士町ジオパークツアー
17:00 終了
18:30 スタッフとBBQ

10月5日(土)
8:50 隠岐しぜんむら 出発
9:00 町内保育園運動会見学
9:50 菱浦港 出発

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