年長さん お泊り会への挑戦

年長さん お泊り会への挑戦

1月に入り日本各地で大雪が降りましたね。

海士町でも、多分に漏れず寒波の影響でたくさん雪が降りました。

気温も氷点下まで下がり本当に寒かったのですが、雪が降るとやはりわくわくする気持ちが高まるのか、雪だから完全防備をするからか!?遊んでいる間は寒さを感じずはしゃぎまわりました。

 

そして冬を満喫するとともに、年長さんが巣立つ日が近づいてきています。

そんな年長さん4人は、まだ雪とはほど遠い秋真っ盛りの昨年10月にお山でお泊り会をしました。

 

金曜日の昼から土曜日の昼まで年長さん4人とスタッフだけで過ごす、1泊2日のお泊り会。

夏前からお泊まりの話は子どもたちとしていて、「お泊まりしたい?」「お母さんやお父さんと離れて寝るけど大丈夫かな?」との問いに、「友だちの家でおとまりしたことあるから大丈夫」「うーん、したことないからわからない…」と色々反応ありつつ、「お泊まりやりたい!」という声はみんな一緒!

 

そして、海遊びが終わった9月の初めから、スタッフのあがちゃんと一緒に年長さんの4人はお泊り会に向けて話し合いを重ねていきました。

話し合うことは…

・1日目の夕ご飯と2日目の朝ご飯、何食べる?

・ご飯に必要な材料は何?どこで買う?

・1日目の夜は何して遊ぶ?

・2日目の午前中は何する?

・お泊まりに必要なものって?着替えの他に何がいる?

などなど。

子どもたちは、普段の家での生活、そしてお山での日々を思い出しながら、

「ゆうごはんは やきにくがいい」

「ハンバーグがたべたい」

「よるはにじひろば(金光寺に行く途中にある広場)にいきたい」

「さかなつりがしたい」

と色々な意見を出していきました。

雨だったら何して遊ぶ?の相談の時には、

「かえるを探したい」「かたつむりを探したい」という意見の中に、「かっぱを池で探したい!」という意見も出たりしましたよ。

 

もちろん自分の意見だけでなく、友だちの意見も聞いて決めていきます。

またスタッフからも、夜なら星が見れるかな?朝早く起きて朝日を見るのもいいかも!などの提案もしながら、一緒に考えていきました。

 

途中途中で、友だちの意見を聞いて「え、そんなのしたくないし」「それやだな…」、それを聞いて「なんで!?」とちょっとした言い合いになることも。

そんなぶつかり合いも大事な過程です。

話し合いをして一人ひとりが納得して決める…ということは年長さんにとってはまだちょっと難しい、けれど経験してほしいことです。

ぶつかり合う程強い自分の気持ちがある。

ぶつかり合うから友だちの気持ちに気付ける。

自分の気持ちも友だちの気持ちも大事にしながら決めていって欲しい。

その中で、自分の気持ちばかりを言いすぎていたり、逆に諦めてしまっている時には、スタッフのあがちゃんが時間をかけてそれぞれの気持ちを引き出しながら話し合いを進め、ご飯のメニューや何して遊ぶかをみんなで決めていきました。

そして、お泊り会への気持ちも聞いてみました。

「お風呂に入るのが楽しみ」や「ご飯を頑張って作りたい」という気持ちが出る一方、

「夜暗いのが怖い」「一人で寝るのが怖い」という気持ちももちろん出てきて、

その中で、

「おとまりが出来たら家族みんなに拍手をしてほしい!」

と言う子もいましたよ。

 

さてドキドキわくわくのお泊り会、どんな2日間を過ごすか楽しみです!

 

<1日目>

さて、お泊まり当日。

大きな荷物を持ちながらの登園、子どもたちの顔はニコニコ…というよりニヤニヤ。とっても嬉しそうでした。

(大きな荷物も自分で持ってきました!)

 

午前中はいつものようにお山のみんなと遊び、午後から年長さん4人とスタッフとで食材調達へ。

島で無農薬野菜を育てている『ムラーズファーム』さんから卵と野菜を買います。

お金を払うのも子ども自身で。お金を払う時には「足りますか?」など何を話すか確認しながら、子どもたち自らお金を払う経験をしました。

帰りにはおやつのサーターアンダギーを商店で買いました。

海が見える虹広場でいただきまーす!

(おやつも自分たちでお金を払って買いましたよ。おいしい~!)

 

おやつを食べたら、さっそくお風呂の準備と夕ご飯の準備へ行きます。

 

運営主体である”隠岐しぜんむら”の宿泊施設にはお風呂があり、今回のお泊まりではそのお風呂に入ります。しかし、このお風呂を使うには薪ボイラーを沸かさなくてはいけません。

あがちゃんが指さす温度計が80度になるまで火を焚きます。

今はまだ20度。

9月から始めたクッキングで火を焚く経験をしてきている子どもたち。

あがちゃんの「火をつけるのには何を入れたらいいかな?」の問いに、「き!(木)」「はっぱ!」と答えながらみんなで枝や薪を持ってきてボイラーの中へ入れました。

 

火を付けるのはマッチでします。やりたい!と2人が手を挙げたので、どっちが先にやるかを子ども同士で話し合い、順番を決めて擦りました。

(いつもより大きな火にびっくりして少し遠くから火の様子を見る子どもたち)

 

続いて夜ご飯の準備です。

食材を切るための机も、みんなで協力して立てます。

なかなかじゃがいもの皮がピーラーでむけなくて「むけん…」と言う子、ちぎるレタスがたくさんあって「たくさんあっておわらない…」と言う子、しかし困りながらも諦めることなく進めていきました。

食材を切りながら、時折大人が声をかけボイラーの温度もチェック。ボイラーの中を開けて、火が弱くなってきたら薪も追加で投入。とっても忙しいですが、子どもたちはどれも真剣で楽しそうでした。

(机や道具の準備も自分たちで)

(みんな真剣な表情で野菜と格闘中。)

 

食材が全部切れた頃には、薪ボイラーも80度に!!

荷物をリアカーに載せて夕ご飯を食べにお山基地へ移動しました。

 

焼肉用の炭も自分たちで火をつけます。普段のクッキングでは炭を使わないので、新しい挑戦です。

(焼きおにぎりにしよ~っと!)

夕方も過ぎてくると疲れも出始め、「お母さんお父さん今何してるかな?」と聞く姿があったり、大人の傍によく行く姿が出てくる子もいました。

それでも自分たちで焼いたお肉や野菜を「おいしい!」「今度はじゃがいもたべようかな」「お肉もう一回食べよっと」とおかわりしながらたくさん食べていました。

食後は炭で焼いていた焼き芋のデザートもあり、「もうこれでおわり!あとはおいもたべるだけだ」とお芋分のお腹スペースも考えて食べる量の調整をしている子もいましたよ。

(焼き芋タイム。美味しさと楽しさに笑顔があふれます)

 

夜もわくわくが続きます。持ってきたライトを照らして、「このライトはね、こやってつけるんだよ~」と得意気に友だちに付け方を教えたり見せたりしていました。

ご飯を食べ、片付けをした後は、いつも遊んでいるイルカ広場と虹広場へ。

真っ暗で怖がる子、全く平気な子、子ども一人ひとり反応が違って個性が出ます。

(スタッフのあがちゃんにしがみつく子、その横で全然平気とばかりに遊ぶ子、みんな様々)

 

 

曇っていたこともあり星は見れませんでしたが、夜の散歩を満喫したあとは、自分たちで薪を使って焚いたお風呂へ。

しぜんむらのお風呂は家庭用の浴槽よりも大きいので、「おんせんみたい!」と子どもたちは大興奮。

ここは海か!?と思うほど泳いだりしてはしゃぐ姿がありました。本物の温泉では泳げないからね~!

 

お風呂から出ると、寝る前に今日の片付けと明日の準備。

夜は普段みんながお山基地と呼んで過ごしたり昼寝している建物の中で寝ます。

寝る時に寂しくないようにお家から連れてきたぬいぐるみのお友だちと一緒に。

(みんな手にはお友だちを抱きしめています)

今夜はあがちゃんと年長さんみんなで一緒に就寝です。

おやすみなさーい!

 

 

<2日目>

スタッフなっちゃんの鍵盤ハーモニカで弾く、『海士町民の歌』(海士町では毎日朝6時半にこの曲が流れます)でこの日はスタート!なんと5時起きです!!

起きた後は着替えて準備して…さて、こんなに朝早くからどこに行くかというと、明屋海岸というお山基地から約2.6km先にある海岸へ歩いて向かいます。

これは話し合いで、「明屋海岸まで車か歩いていきたい!」という気持ちが子どもから出て、みんなで話し合って決めました。

綺麗な朝日が見れるといいな。

眠い目をこすりながらも、明屋海岸を目指して歩き、着いたころには空は明るくなっていました。

着いたあとは朝ご飯作り。メニューはサンドイッチです。

挟むものは、ハンバーグ、レタス、ゆで卵、パプリカ。

食パンは島のパン屋さん『つなかけ』さんから買いました。

(パプリカを切りながら、みんなに「たねどうする?」と尋ねていました。)

(サンドイッチに挟むものたち)

(何をどうやって挟むかは自分次第!)

 

「どこで食べる?」の問いに、「あそこ!」と指さしたのは階段の上。

綺麗な海を見ながらの素敵な朝ご飯になりました。

ご飯のあとは、魚釣りへ。

えさは現地調達。岩場にいる貝を見つけると石で割って身を出し、それを釣り針にひっかけます。

(手際よく先に何個も貝を割ってから魚釣りに挑む)

岩場の間に竿先を垂らし、岩場の水だまりにやってくる魚を狙って釣り上げる魚釣り。

(釣れるかな~?)

魚釣りのあとは岩場でも遊びました。夏の間に何度か岩場で磯遊びをしているので、気を付けながらも怖がることなく進んで行きます。

(いったいどこまで進むのか…!?)

(岩場を進んで着いた先には島!目の前に見えているのは隠岐の島。こうやって見ると、近く感じます。)

 

ぎりぎりまで楽しみつつ、最後の片付けのころには「もううごけない」「つかれた…」と言う子どもたち。

親から離れて自分のことを自分でやり、いつもと違う環境の中で友だちと協力し、そして遊ぶ。

子どもにとっては大きな挑戦であり、嬉しさと不安、楽しさと疲れが入り混じったなんとも特別な時間です。

ついにお迎えの時間。緊張の糸がほどけて、親との再会は涙の子も。

よく頑張りました!!

このお泊まりを通して、スタッフは子どもたちの素敵な一面をたくさん発見しました。

その中でもよく見たのが友だちに「ありがとう」と伝えるこどもたちの姿。

焼いてくれてありがとう。手伝ってくれてありがとう。片づけてくれてありがとう。

誰かが一方的に言うのでなく、お互いに伝え合う姿がとても印象的でした。

 

自分たちで考え作り過ごしたお泊まりは、自分に自信をつけ、友だちとのつながりも深まった2日間になったのではと思います。

巣立ちまでの日々も子ども一人ひとりの気持ちを大切にし、その子らしく過ごせるお山でありたいと思います。

 

みっちゃん