どんぐりインク作り♪

どんぐりインク作り♪

こんにちは!お山の教室スタッフのかなちゃんです♪

(おでかけ先の推恵神社にて、イヌマキの実を必死に採る男子チームを眺めるレディース♪)

 

”どんぐりインク”作りのきっかけは、実りの秋も一層深まったある日のこと。あと半年もしたら小学生になる、年長の女の子の「枝でえんぴつを作りたい!」という一言でした。

以前から、ナイフでのえんぴつ削りに挑戦していた女の子ですが、その日は好みの枝を探すところからスタート。繊維の方向や硬さなど、何十種類とちがいのある小枝を、黙々を削り続ける姿をみて「そうだ、私は”枝えんぴつ”のためのインク作りをしよう!」と思ったのでした♪

 

さっそく「どんぐり集めようと思ってるんだけど、どう?」と声をかけると、「いいよ!」「僕も行く~」「どんぐりあっちにたくさん落ちてるんだってー!」と、あっという間にどんぐり収穫隊準備完了!

大鍋もって出発すると、トトロの世界に出てきそうな木のトンネルを発見!「去年は全然生ってなかったのにー!」なんて言いながら、ピカピカ光る大きなどんぐりを山盛り拾うことができました♪

思い付きのことなのに、こうしてすぐ材料と、仲間の心がそろう廻りあわせ。心が満たされる瞬間です✨

 

まずは、{殻を割る→中の実と殻を分ける}という作業!これがなかなかに難しい。。

これだけのどんぐり分を処理するわけですから、集中力と根気強さが必要!さらには・・・

殻を割るために用意したハンマーはひとつしかない!物の取り合いが始まる中で、「あ、これでもできるんじゃない?」と水筒で割ってみたお山の子。

お昼ごはんまで!と限られた時間、限られた道具の中で、いかに効率よく作業ができるか!と、頭も身体も使うのに大忙しなのです。

一人ひとりが、大量のどんぐり剥きと向き合っていたそんな折、年長の男の子がふと

「A(自分の名前)が殻を取るから、B君はそれ(ハンマー)で割ってくれない?ほんで、かなちゃんはAの剥いた実を渡すから鍋に入れて?」と分担作業の提案!!

その言葉で瞬時に一体感が生まれ、「じゃあ私は、どんぐりをB君に渡す係するね!?」と周りにいた仲間も、自分で考えた持ち場につくのでした♪

 

たくさんのどんぐりを割っていると、たまに会える幼虫さん♪最年少の女の子は「赤ちゃんだ~可愛い~♡」と愛で、”赤ちゃんがさみしくないように”と幼虫の仲間を探すのでした!

しかし一匹見つかる度に、一匹逃げてしまう幼虫さんに悲しむ女の子・・・

そんな女の子の姿をみて、「じゃあ赤ちゃんのおうちを作ってあげるね!」と、逃げないような工夫を施した竹の家をプレゼントした年中の男の子✨

長い長い作業時間が流れる中で、こうしてそれぞれの楽しみ方も、見つかっていきます♪

コトコトコトコト・・・じっくり煮詰める間には、まだ青くてインクには使えなかったどんぐりでおままごと♪

年長さんの姿に魅かれて、枝えんぴつ削りに挑戦したくなった年中の男の子!

遊びながら、火の番をしながら、じっくり待つこと40分。ついにインクが完成✨

ざるで漉して、やっとこさ辿りついたお絵描きの時間へ!色がでるかな?ドキドキ・・・

描けたーーー!やさしいやさしいどんぐり色♪

枝を削った手作りのえんぴつで~♪ 1本1本ちがう書き心地に、私も大変驚きました!

枝えんぴつだけじゃない!好きな葉っぱをとっぷりインクにつけてお絵描き♪

葉っぱの全部が紙につくようにと、枝えんぴつで葉っぱをおしつけてみる!

インク溜まりもあるし、手形もできた♪ 絵筆として使った枝や葉っぱも、そのまま置いちゃって作品完成✨

色画用紙を使ったり、お山で拾ったたからものを使ったり・・・♪「線路みたいだよ!」と盛り上がりました!

 

 

《話はここで、活動の背景へ・・・》

どんぐりインク作りで私が心配したことは、『色の薄さ』でした。

キャップを開ければ鮮やかな色が出るペン、水で溶けばいつまででも描けそうな絵の具。

こういった物に囲まれて過ごす私にとって、相当な手間暇をかけて作ったどんぐりインクは『色が薄い』と素直に思うのです。

しかしこどもたちの反応はと言うと、インクが紙に染みるおもしろさや、枝や葉のシルエットが浮かぶ楽しさを満喫し、石だったらどうなるのか?紙以外のものにも描けるのか?と、自分たちの手の届く世界をめいっぱいに使って遊ぶのです。

つまり、だれも「もっと濃いインクがほしい」「赤色がほしい」と言わないのです。お山のこどもたちは”目の前にあるもの”、”今選ぶことができる選択肢”の中で、最も楽しめる方法!を考えることができると、感じました。

海士町のスローガンである「ないものはない」というスピリッツをひも解くカギは、こどもたちの姿にあるんだと確信した瞬間です。

 

今回のようなインク作りや、毎週に1回行なっている野外クッキングなどの”ものづくり”の経験を通して、つまみを回せば火が付くといった”あたりまえ”の感覚を揺さぶり、”在りがたさ”を無意識の部分<生きる根っこ>に重ねていくことができればいいなと、考えています。

そして、それは”もの”に留まらず、”人”にまで広がっていくことを信じて、日々の保育に還元していきたいという気持ちです。