社会人一年目を、お山のこどもたちと過ごすということ

社会人一年目を、お山のこどもたちと過ごすということ

はじめまして、こんにちは!

今年の4月よりお山の保育士として仲間入りをしました、西山佳菜です。みなさんからは、”かなちゃん”と呼んでもらっています!

どうぞよろしくおねがいいたします!

さて、山陰では大敵、梅雨に入りましたね!

はじめての一人暮らし、実家では料理も洗濯もしたことがなかった私は、ただひたすらに”カビ”に怯える日々を送っています(笑)

23年間。今まで全くといって言いほど、動物・植物・虫に興味がなかった私。桜やカエルなどの誰もが知る生き物でさえ、イラストのイメージが浮かぶほど。。。

一緒にお山の保育士として働くアイーダは、植物に関してとっても詳しい。

「あ!まきの葉だ!これでお団子が作れるのよ~~」と言って次の日、端午の節句に合わせてたくさんのまき団子をふるまってくれたり、

「背の高ーーいたんぽぽ!マイクにしちゃお♪」と言っては、オリジナルの歌を披露してくれたり。

”見守り”が基本のお山のスタッフですが、時には自分の感情や衝動に正直にこどもたちを巻き込んで遊んだり、話をしたりします。

それはお山の教室が、『ひとりの人に出会うこと』を大切にしているから。

「私も何か自然のことを勉強して、発信しなきゃ!」と焦った時期もありました。

でもお山の教室では、”生き物に興味のないかなちゃん”を、大歓迎!と受け止めてくれました。

もちろん、こんな風にこどもに関われたらいいよね、こんな力を育んでくれたらいいよね、というスタッフの心得はありますが、それはあくまで入り口。

その入り口をくぐり抜けたら、大人もこどもも一緒になって遊んで学んで、楽しいことも悲しいことも、内緒も嫉妬も素直に表現できる世界が広がっているような、今ではそんな安心感をもって働いています。

お山の保育士をして、2か月が経ちました。今では野イチゴの種類を見分けることができるようになったり、触ってもいい毛虫を見つけては名前を呼んだりして、毎日こどもたちとケラケラ笑いあっています。

その中で、「しぜんむらってどんな保護活動してるんだろう?」とふと疑問に思ったり、「新鮮な魚や野菜は今のうちに堪能しておこう!」と料理に挑戦したり。

生活の中で、自然とそういう思いが出てきたことには私自身びっくりしています!

生き物に興味なんかなくたって、生きてこれた。でも、あるのとないのでは、”学びの生活”の質が全く違うと実感しています。

海士町での暮らしは、海や雲や畑や水や、そういった自然環境とひとつの生活。

そして日常生活の中でも特に、”遊び”での学びは格別だ、ということもお山で過ごして改めて気づかされたこと。

こどもだけでなく、大人もおなじ。

自然環境とは、”変化する安心感”と”生まれ続ける不安感”を同時に与えられるもの。

そのまた逆もあるのかも。

遊びとこどもとの間に、そういった自然環境があることは、心が豊かになる。と思う。

何かを発見し、興味が湧いて、本物をみて、感じて・考えて、今度は疑問が出て、また探す。

ぐるぐるまわって続き続ける学びの心。

お山の教室ではそういったプロセスを、ゆったりとした時間の中で自分のペースで

ひとつずつ辿ることができる。

「学ぶってこういうことかあ~~。。」くっそーと悔しくなるくらいの、私の気づきです。

海士町から、そしてお山のこどもたちから学んだこと。

そうしてまたひとりの人として関わる私は、私の気づきや想いは、

こどもたちに還っていくんだろうと思います。

だからこそ、社会人1年目を海士で、お山の保育士として過ごせてよかった!と、心からそう思うのです。